辻ゼミの3年生が日本家政学会被服心理学部会夏季公開セミナーに参加しました
8月26日、経営学部辻ゼミナール3年生19名が、日本家政学会の被服心理学部会の公開夏季セミナーに参加した。セミナーは神戸学院大学ポートアイランド第1キャンパスのD号館3F(312室)で開催された。セミナーのテーマは「フェアトレードとファッション」であった。
辻ゼミナールでは8月1日からフェアトレードの紅茶制作のためのクラウドファンディングを開始した。また9月1日からはフェアトレードを理解できるための教材として製作したカードゲームを神戸市内の小学校に寄贈するためのクラウドファンディングを開始している。今年に入り、辻ゼミナールではフェアトレード関連のテーマを主軸とした活動が続いており、本セミナーでは、ビジネスの現場としてのフェアトレードと、経済学の貿易論をベースにしたフェアトレードとを学ぶことを目的とした。
具体的な講演内容として、「ファッションのサプライチェーンとフェアトレード-服を通して自分ごとで考える世界とのつながり」と題し、(有)シサム工房の副代表の人見とも子氏が講演された。内容は現場のビジネスとしてのフェアトレードの洋服の動向、生産者の心理と技術、また、受け入れる側(日本の消費者)の問題意識など多岐にわたる視点からのアプローチであった。また、別の講演では、「フェアトレードとエシカル消費」と題し、大阪国際大学国際教養学部准教授の岸脇誠氏が講演された。内容は、生産国と消費国、製造と消費、所得格差などの切り口から、時代の流れとともに、意識が変化した貿易システムと人権意識についてのアプローチであった。
2つ目の講演として大阪国際大学の岸脇誠准教授から「フェアトレードとエシカル消費」という題目で講演いただいた。写真の右側が岸脇氏で、当日はPowerPointを用いて講演された。フェアトレードを含む貿易論は経済学分野の学問である。今回のテーマであるフェアトレードは直訳すると「公正な貿易」「公平な貿易」となる。これは生産や材料を輸出している生産国と消費をしている先進国との間の貿易の在り方を示している。公平さを推進すれば、当然のことながら商品価格は従来よりも高くなる。その価格政策をどのように推進するのか、消費者意識を変化させる方策についても言及がなされた。
半日の公開講座への参加であったが、フェアトレードの現場と学術的な背景を知ることができた有意義なセミナーであった。