経営学部の学生がネパールNPO代表によるフェアトレードのセミナーに参加しました

2023.05.17 NEWS

5月14日(日)神戸国際会館地下2Fのシサム工房内で、セミナーが開催されました。フェアトレード商品の生産者の声を聴くという主旨で、ネパールから来日されているMAHAGUTHIの代表スニル氏(Sunil Chitrakar)が講師をつとめられました。このように生産国からNPOの代表を通じてフェアトレードの現場の話を聞く機会は稀です。この日、経営学部3回生の和田望夢さんと難波眞弘さんの2名が参加致しました。難波さんは2回目のセミナー参加となりました。

最初にネパールが抱える社会問題として、スニル氏は、女性が貧しく社会の隅の脇役であること、失業や不平等の実態、市場へのアクセスの欠如、技術と知識の乏しさを挙げられました。また、資源が豊かではないネパールでは、若者が海外に流出していることも問題として挙げられています。次に差別の問題にふれられました。差別には性差、カースト、職業などが例示されました。特に女性への差別や女性の経済的な自立の難しさを指摘されました。このような現状の中で、MAHAGUTHIでは平等、正義、平和のための社会的・経済的前進をビジョンとして掲げていると述べられました。例として2004年から石鹸の製造を開始した女性の話をされ、それまでの彼女の人生と石鹸を製造しはじめた後の人生の比較をされました。女性が石鹸づくりを村人も巻き込んで、彼女が製造者として自立するまでの経緯を説明されました。石鹸製造前は夫からDVを受け、身分もなく、貧しい女性でしたが、今ではビジネスを成功させて村で尊敬されているとのことです。

コロナ禍での状況に対する質問には、ロックダウンをされ工場にも行けずにみんなは精神的にたいへんな状態であったこと、その中でスニル氏が駆け回って布マスクづくりを皆に奨励したことを回答されました。このようにコロナ禍でも仕事を続ける、手を動かし続けることを実践したことに驚かされました。

このセミナーに参加した和田さんは「ネパールとフェアトレードがイメージとして結びついていなかったが、このセミナーに参加をして技術があるのに、それを活かしきれずに貧困状態であること、それをフェアトレード活動によってサポートし、ビジネスへ結びつけていった経緯を知ることができて有意義でした。寄付というお金を与える形ではなく、潜在的な技術を信頼し、それを活かすというビジネスモデルが成功していると思います。」 難波さんは「ネパールの内戦や地震のことは知っていましたが、社会の中での女性差別については知りませんでした。また、コロナ禍でモチベーションを落とさずに、マーケットを維持する工夫に感動しました」と話していました。今後、和田さんと難波さんはセミナーの内容をまとめて演習Iのゼミナールの時間に発表する予定です。

  • MAHAGUTHIのポーチとコースター

  • 店長の司会で

  • スニルさんと一緒に

  • 左が和田君、右が難波君