経営学部の卒業生が国家公務員採用総合職試験に合格しました!
経営学部を今年卒業した森下浩暢(ひろのぶ)さんが、数ある公務員試験の中でも最難関、狭き門の代表のようにも言われる国家公務員採用総合職試験など3つの試験に最終合格しました。
これから就活に取り組む学生諸君、特に公務員を目指す人には有益なアドバイスをいただけるものと思い、特にお願いして勉強方法や後輩へのメッセージを書いていただきました。ぜひ参考にしてください。先輩を見習って後に続く人が出てくることを期待しています。
初めまして、2020年3月に神戸学院大学経営学部を卒業した森下浩暢と申します。
私は、2020年度の公務員採用試験を受験した結果、国家公務員採用総合職試験、国家公務員採用一般職試験、国税専門官採用試験の3つの試験に最終合格させていただくことが出来ました。
後輩の皆さんは、コロナ禍の影響もあり、自分の将来に対して不安を持たれているのではないかと思います。でも、不安を抱いているということは、逆に言うと、しっかりと自分の将来について考えようとしている証拠ではないでしょうか。今からでも、いや今だからこそ、自分の将来についてよく考えてみましょう。
私は結果的に公務員になりましたが、民間企業を志望している人は、業界研究・企業研究をしっかりして、自分が本当に行きたい企業を見つけ、必ずそこの内定を頂けるように、努力をしていただきたい思います。実際に、本当に行きたいと思った企業に就職することができた私の友人は、現在も楽しく仕事を続けています。
現在のコロナ禍の不安定な社会経済状況を目の当たりにして、公務員受験を選択肢に入れている人も多いと思います。今回は経営学部の卒業生として後輩の皆さんに向けて、このようなメッセージを発信できる機会を頂きましたので、僭越ながら、私のささやかな経験を皆さんにお話しさせていただこうと思います。
● 国家公務員を目指すようになったきっかけ
私が国家公務員を目指した一番大きなきっかけは、大学の先輩が公務員になられて、実際に公務員の魅力や、充実した生活を送られているというお話を聞かせていただいたことです。国民の現在と将来のために、介護・子育て環境の向上や道路・河川の整備といった、社会の基盤づくりに貢献できる、本当にレベルの高い人ばかりで囲まれた環境に身を置くことで、自分自身の成長にも繋がる、ということが最も心に響きました。
国や地域の発展に興味があり、個人や組織の利益よりも、公共の利益のために働きたいという思いを持っている人、また、地道な任務や長期的な仕事に対して粘り強く取り組むことが好きな人は、公務員という道を視野に入れてもよいのではないでしょうか。
● 具体的な勉強方法
さて、公務員ですが、これは公務員試験に通らないと、なりたくてもなれません。まず大前提として、「毎日欠かさずコツコツと勉強すること」が大切です。当たり前ですが、公務員か民間企業かを問わず、これを出来ない人が良い結果を残すことは、難しいのではないかと思います。
そして、工夫したこととしては、(1)しっかり計画を立てて勉強することと、(2)毎日の勉強した内容を記録していくこと、これら2つを意識しました。(1)については今さら申すまでもありませんが、意外と効いてくるのが(2)です。
毎日の勉強した内容を記録することは、面倒だと思われる方もいるかもしれませんが、毎日の行動を可視化することで、自分の勉強のペースの遅れなどに気付きやすくなりますし、遅れに合わせて計画の修正をすることも簡単にできます。
さらに、試験直前の不安が大きくなってくる時には、今まで自分が記録してきた内容を見返すことで、「自分はこれだけ毎日勉強してきたのだから大丈夫」という風に、不安を解消して自信に繋げる、精神安定剤のような役割も果たしてくれます。
生活面への意識も大切です。国家公務員試験は、基本的に朝から夕方まで丸一日かけて行われます。試験会場によっては、朝早くから家を出なければならないこともあります。私は朝6時に家を出ないと間に合わない、ということもありました。
普段から試験当日を想定した生活リズムを築いておくことで、丸一日かかる試験でも、普段通り最後まで集中力を保ったまま挑むことが出来るようになりますし、大切な時期に、受験生にとって命取りである、体調を崩すという可能性を大きく減らすことも出来ます。
これは民間企業を目指す人にも、就活の基本となりますので、ぜひ習慣としてほしいです。
● 大学で役にたった学び
神戸学院大学にはたくさんの資格講座があると思いますが、その中でも私は公務員試験に挑戦する前に、宅地建物取引士講座と、行政書士講座という、二つの法律系の難関国家資格の講座を受講し、そこで法律科目の勉強をした経験がとても役に立ちました。
公務員試験の勉強をするに当たって、法律科目(主に憲法、民法、行政法の3つ)は、多くの試験種で出題され、問題数も多い重要な科目です。難しい法律用語などが多く存在するこの科目は、理解できるようになるまで大変時間のかかる科目だと思います。おそらく大学内の公務員講座の受講を考えておられる皆さんは、法学部の学生が4年間かけて勉強する内容を、約1年間で頭に入れなければならないので、とても苦労するのではないかと思います。
私は先ほど述べた通り、法律系の資格講座を受講し、法律科目を学んでいたため、公務員の試験勉強の時には、特に詰まることなくスムーズに終わらせることができ、余裕が出来た分を、他の試験科目の勉強に当てることが出来ました。
次に、経営学部の科目で役に立ったことについてお話しさせていただきます。当然ですが、経営学部での勉強も公務員試験でしっかりと役に立ちます。経営学の歴史や経営戦略論、人的資源管理論、会計学、マーケティング論など、たくさんの講義があるかと思いますが、経営学部の学生の皆さんが、日ごろ何となく出席している講義の内容が、幅広く公務員試験にも出題されます。
国家公務員の試験では経営学が選択科目として出題されたりもするので、ぜひ授業にはきちんと出席して、しっかりと先生のお話を聞いておけば、後々役に立つ機会があるのではないかと思います。これは公務員だけでなく、むしろ民間企業を志望する場合にも、というか、民間企業を志望する皆さんにこそ、大切ではないかとも思います。
ついでに申しますと、私の場合、じつは一般教養を身に着けることに苦労しました。私に限らず、経営学部の皆さんは、一般教養が苦手な方が多いのではないでしょうか(失礼)。でも、公務員試験では、学科試験で教養試験も設けられていますし、中には、足切りが設定されている教養試験も存在します。
そこで、私は、この一般教養を少しでも補うために、新聞の定期購読をしていました。毎日欠かさず新聞を読むことで、世の中の出来事や、それらに関する知識を身に着けて、この弱点を克服していきました。実際、面接官の方と新聞記事などの世間話で盛り上がって、とても高く評価していただいたこともありましたし、他にも、面接官からの少し意地悪な時事的な質問に対しても、詰まることなく即答できたりと、読んでいて良かったと思える経験しかありません。絶対に損をすることはないので、新聞を読む習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
● 最後に
ずばり言います。「公務員を目指す人も、民間企業を目指す人も、今までの人生の中で1番勉強したと思えるくらい力を入れて勉強してほしい」と。とくに民間企業への就職を考えている人は、早く就職活動を終わらせて卒業まで遊びたい気持ちもあるかと思いますが、そのような気持ちで適当に就職を決めていると痛い目を見ると思います。
当たり前ですが、皆さんと同じ神戸学院大学の学生だけがライバルではありません。誰もが知っているような有名国公立大学の学生も、自分のライバルになります。全国の大学生が、コロナ禍の影響で不安定な民間企業よりも、安定した公務員を目指そうと考えていると思います。受験生が増えれば増えるほど合格へのハードルも高くなると思います。その大勢のライバルを試験で倒さなければ合格はできないということを忘れないでください。
1年生、2年生、3年生の人は、まだ間に合います。民間企業か公務員か、どちらを選ぶかは人それぞれですが、早いに越したことはありません。今日から自分の将来を見据えて準備を始めましょう。
4年生の人で、公務員受験を考えていた人は、今日までずっと、勉強を頑張って来られた方ばかりだと思います。試験本番で全力を出せるよう、残りの期間を悔いのないように過ごしてください。皆さんの努力が実を結ぶことを願っています。
以上になります。皆さんと同じ神戸学院大学経営学部の卒業生として、これが何かのきっかけになってくれれば幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。