楽天ヴィッセル神戸 ファンマーケティング部 大嶋 麻奈加部長が経営学部で特別講義を実施しました

2025.12.24 NEWS

プロサッカーチーム「ヴィッセル神戸」を運営する「楽天ヴィッセル神戸株式会社」ファンマーケティング部 大嶋麻奈加部長による特別講義が12月26日、経営学部で実施されました。
この特別講義は、本学とヴィッセル神戸とのパートナーシップ事業の一環として実現し、「スポーツ・マーケティング論II」を受講する3・4年次生を中心に18人がスポーツビジネスにおけるファンマーケティングの最前線について学びました。

はじめに、スポーツビジネスにおけるファンマーケティングの核心は、単に試合を見せることだけではなく、来場者数を増加させファンをヘビー化すること、定期的な新規客の獲得を「短期ミッション」とし、シーズンシートホルダーを増やし安定した売上を確立することが「中長期ミッション」であると説明しました。その中で、ファンを「未認知」から「認知」「興味関心」「来場」「複数回来場」へとファンを育成・拡大していくことが特に重要であると説明しました。

次に、ヴィッセル神戸の最大の強みとして、楽天グループのアセットを活用した圧倒的なデータ収集・分析能力があることに言及しました。 チケット購入、スタジアムへの来場、グッズ・飲食の購入まで、その行動の大部分が「楽天ID」で紐づいていることで、「誰が」「いつ」「何を」したかというカスタマージャーニーをほぼ途切れなく把握できると述べました。

続いて、具体的なファン育成プロセスにおいて、実際のファン行動データ(As is)と理想の行動(To be)を比較し、具体的なアクションプランを立てるプロセスが紹介されました。まずは「招待・優待」や「グッズ特典(タオルマフラーなど)」をフックに来場のハードルを下げ、新規顧客を獲得すること。初来場時の体験満足度を高め、次は「実質無料+特典」や「ファンクラブ入会」を促し、LTV(顧客生涯価値)を高めてリピート化を図ることが示されました。

最後に大嶋部長からは、「マーケティングやスポーツビジネスを学ぶ皆さんにとって、『顧客の行動をデータで可視化し、最適なタイミングで最適なコミュニケーションを取る』という視点は、どの分野でも通用する重要なスキルとなるはずです。」と述べ、講演を締めくくりました。

質疑応答に移り、学生からは、「神戸のプロサッカーチームとして、まち全体をヴィッセル神戸一色にして応援する企画等はできないか」との質問があり、大嶋部長は「神戸には他にもプロスポーツチームがあり、1つだけのチームを特別扱いするのは難しい。ただ、スタジアム近くの駅をチームカラーのクリムゾンレッドに装飾して、地域全体で応援する『一体感』と『賑わい創出』を図っている」と答えられました。

受講した学生からは、「コラボ企画や人気選手の存在が、新規のファン獲得に多大な効果がありつつも、そのファンを定着させる難しさがあることに気づいた」「1回目から2回目の来場につながる詳しい内容など、実際抱えている問題などをたくさん聞けてすごく勉強になった」などの感想があがりました。

  • 講演を行う大嶋部長

  • 新規ファン獲得について質問する学生

  • 集合写真