日本繊維機械学会内「企業心理と消費者心理」研究会の公開講座に経営学部の学生が参加しました

2023.06.02 NEWS

日本繊維機械学会内に所属する「企業心理と消費者心理研究会」の第21回公開講座が2023年5月31日にポートアイランド第1キャンパスB号館1F103教室で開催されました。これは部会長である経営学部の辻幸恵教授が神戸学院大学に誘致し、一般学生も無料で参加できるようにしたものです。経営学部からは3年次生と4年次生合計156人の学生が参加しました。

講師の原田隆司氏は昭和37年名古屋大学工学部を卒業後、そのまま大学院に進学され、大学院修了後に、東洋紡株式会社に就職されました。

当日の講演のテーマは「商品開発における消費者ニーズ(心理)と企業シーズ(行動・心理)のすれ違い」でした。最初に新商品開発が経済の好循環に寄与する流れを示し、新商品開発が消費者のニーズと企業のシーズをドッキングされると説明されました。具体的には消費者に感動を与えて、買いたくなる商品は2つあると指摘され、1)使うたびに「なるほど」と感じられる、日常生活をより快適にする商品(なるほど商品)と2)想像もしなかった「はっ!」とする、特別な喜びをもたらす感激商品があると述べられました。なるほど商品については、消費者はすでにある商品の欠陥や不満、改善してほしいことは指摘できるので、その要望に企業側がよりそうことが必要とされました。感激商品については、人間は自分の欲望を言語化できないが、目の前に商品が現れると、あたかも前からそれが欲しかったように振る舞うとされ、企業は隠れた消費者の要望を洞察する必要があると述べられました。

次に研究開発には「選択と集中」が必要だと説明されました。そして研究開発活動の投資は、それが良かったか、効果が大きかったか、ということを評価されることも説明下さいました。たとえば、チマチマしたテーマは、成功確率(効率)は高いが、効果(インパクト)は弱いこと、一方、効果が大きいと予想される挑戦的なテーマは、一般的には成功確率が低いため、社内では大丈夫か?と危惧されることもお話下さいました。さらにヒット商品とロングセラー商品についても企業の目線で解説されました。最後に原田先生のご専門に近いところの衣服に要求される品質、衣服の快適性に関する要因などを具体的な着用テストによる感覚計測や衣服内気候を科学する話をされ、当日の講演をまとめられました。

学生たちは、具体的な話の中に普遍的な商品開発の基本や研究テーマの選び方などを学んだと感想を述べておりました。90分間がとても有意義に使用された講演でした。

2時間目の演習IAにおいては講師の原田隆司先生を囲んで辻ゼミの3年次生が座談会という形で、会社内で開発をする実例をざっくばらんに聞いたり、製品が誕生するまでの秘話なども楽しく聞くことができました。

  • 公開講座の様子

  • 原田氏講演内容

  • 教室の後ろからの風景