文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)受賞に際して

2020.07.03 NEWS

文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)受賞に際して

教授 小川 賢

2003年から電子情報通信学会のネットワーク運用ガイドライン検討ワーキンググループの幹事として、2007年からは国立情報学研究所の情報セキュリティポリシー推進部会の委員として、高等教育機関の情報セキュリティ対策を推進していく活動を続けてきました。

策定してきた高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集は、大学における情報ネットワークの運用・管理を円滑に行うための規則体系のひな型を提供する目的で始まり、政府機関統一基準への準拠、サイバーセキュリティ対策と改定を続けてきました。サンプル規程集は今では多くの大学の規則策定時の参考にされており、この活動が評価された要因です。ネットワーク運用・管理、法律、倫理、教育の専門家が集まり議論を重ねた成果で、今回の受賞は策定と維持管理にかかわった皆さんのおかげです。

機密性最優先のセキュリティ対策から機密性・完全性・可用性のバランスを重要視するように考え方が変わってきたり、クラウドサービスの利用が一般的になったり、セキュリティインシデントは起こる前提で体制を構築するようになったりと、時代の変化に応じたセキュリティ対策を高等教育機関が行うためのサンプル規程集を提供し続けてきました。

これからもこの活動は継続されていくものと考えています。